クライシスを脱したときのプラン
とてもいい状態で退院してきたのに、自宅に帰ったとたんに、寂しさと、人がかかえている問題と、多分そもそも入院しなければならなくなった原因を作り出していたすべての事柄(麻薬とアルコールをさし引いて)が、一気に襲ってきたことを思い出します。
私たちの多くは、元気回復行動プラン(WRAP™)を作って実践することで、生活の質がはるかに向上したことに気づいています。私にとっては、まさしく、その通りでした。しかし、クライシスを脱したときのプランを元気回復行動プランのオプションとして付け加えることは、リカバリーへの更なる一歩を進めるために大切なことかもしれません。ウエストバージニア州のメンタルヘルスリカバリーのファシリテーターである、リチャード ハート氏が、クライシスを脱した時のプランの必要性を示唆してくれました。彼のクラスで、クライシスからの回復がとりあげられ、彼はこの問題はさらに追及する必要があると思いました。私も同感です。
1980年代の後半のころ、私は、深い抑うつと、激しい感情の浮き沈みのために入院を繰り返していました。入院はある面で助けになりました。入院によって、私と家族が、お互いに距離をとることが出来ました。それはとても必要なことでした。ピアサポートもいくらか得ることが出来ました。その頃は、そう呼ばれていませんでしたが、いくつかの元気に役立つ道具についても学びました。ストレス軽減技法やリラクゼーション技法、思いを書き綴ることなどです。薬による治療で安定もしていました。
しかし、入院によるそれらの効果は、退院後、急速に効力を失いました。退院して2日後に入院したことが2回あります。なぜだったのでしょうか?退院したとき、家族や友人はみんな、私はもう元気になったに違いないと思っていました。アパートの前で車から降ろされ、その後の、とてもつらい数時間を一人で過ごさなければなりませんでした。来てくれると約束していた友人が、私が昼寝をしているだろうと思い込んで、電話もせず、立ち寄ってくれなかったことがありました。食べるものがなくて、その辺りは散らかり放題になっていました。直ちに圧倒されるような気分になり、完全にやる気がうせていました。その上、会社から、2-3日したらフルタイムで仕事に戻ってきて欲しいというメッセージが残されていました。
入院、一時療養センター、地域や自宅でなど、どのような方法でクライシスを抜け出したにしても、そのとてもつらい場所から抜け出すときに細心の注意を払っていなければ、癒しが数歩後退してしまうことに、あなたも気がついているかもしれません。私たちの多くにとっては、クライシスから回復するのには、他のどのような重い病気や手術からの回復と同じくらい時間がかかるものだと信じるようになりました。気分がどんどん回復するにつれて、徐々に減らすことが出来るような援助とサポートを必要としています。このような大切な時期のためにあらかじめプランを作っておくことが、迅速な回復と元気に役立つことは、よく理解できることです。

クライシスを脱したときのプランについて―リチャード ハート氏の観点