Mary Ellen Copeland

 

クライシスを脱したときのプランについて-リチャード ハート氏の観点

 

ウエストバージニアのリチャード ハート氏は、メンタルヘルスのリカバリーのファシリテーターです。クライシスを脱したときのプランについて、私に提案してくれた人です。彼は次のように述べています。

 

日常生活に戻るとき、健康的な食事を取ることにも、助けが必要です。たいてい、帰宅して第一日目に食料の買い物にいかなければなりません。ある人は、“病院食”の厳しい制限をうけていた後にスーパーマーケットに行くと、お菓子ばかり買い込むことになるといっていました。甘いもの、塩気の強いもの、脂肪の多いものなど、栄養士が食事を準備し、間食をモニターしているときには制限されていた、そういった食べ物は、魅力的な“禁断の果実”になりました。アルコールについても同じことです。ある人は、普段は、みんなと飲みに行けばほどほどにアルコールをたしなむ程度なのですが、退院して自分のベッドで起きた初めての朝、二日酔いだったといいます。退院したときに、ちゃんとした食べ物があるようにしておきましょう。“罪を感じながらの楽しみ”であっても、好きな食べ物を楽しむことを怖がらないでも大丈夫です。ただ、やり過ぎないように。

 

家族のところに戻る人にとっては、別の事柄が生じます。子どものことはとても恋しく思うものですが、状況によっては、親としての責任を取り戻すまでに、はじめは多少の援助が必要かもしれません。職場に復帰する場合には、徐々に復帰するのがベストかもしれません。親戚がきてくれると喜ぶ子どももいるでしょうし、年長の子どもであれば友達の家で過ごすのも楽しいかもしれません。どのような状況であれ、家庭生活に戻ることにまつわる揺らぎから引き起こされる事柄について、事前に対処を考えておく必要があります。

 

WRAPのほかのプランと同様に、クライシスを脱したときのプランは、ひとそれぞれ違います。考慮すべき最も大切な点は一人暮らしかどうかです。一人暮らしをしている人は、一人暮らしではない人と、全く違った心配事があります。私と私の周りの人にとっては、退院してせめてはじめの一晩は、友達が泊まってくれることが最も重要なことです。友達のところで過ごしたほうが良いかとも議論したのですが、自宅に帰ったほうが良いだろうと思いました。それでも、一人になった最初の夜は、やっぱり、一番大変かもしれません。一晩過ごしてみて、引き続き一緒にいてくれる人が必要かどうか、判断することが出来ると思います。

 

一緒にいてくれる人を手配することが難しいこともあるでしょう。その場合、居心地良く、きれいになっている家に戻る事が、とても重要です。散らかり放題になっている家に帰った経験を持っている人がほとんどだということに、みんなが同意します。その状況を目にすると、“調子が悪くなってきていた”時の、気分を落ち込ませる記憶がよみがえってくることがあります。友達に片付けておいてもらうか、掃除サービスを頼んでおくことが、大きな違いを生むかもしれません。家の掃除をすることが、面倒な家事の一つだと思う人ではなくて、友達の家を掃除することが好きで、それを頼むことがその人のためになるというような人を見つけることをお勧めします。

 

郵便物がトラウマを引き起こしかねないと誰が思うでしょうか。自分でする前に信頼できるサポーターに郵便物に目を通してもらうことで、延滞通知のような気がめいる事柄からの防波堤になってくれるでしょう。私にとっては、支払いをすること自体は問題ではないのですが、貸付業者からの“即刻支払いをしなければ死んでもらいます”と書いてあるノートをよむことは、たえられないことです。

 

“戻った”ことを友達や関係者に連絡することは、回復初期の人にとっては、気が重いことがあります。友達に頼んで、あなたがどうしているかを友達に連絡してもらい、来てもらうか電話してもらうことを望んでいるかどうかを知らせてもらうことが出来るでしょう。訪問してもらいたい人もいるでしょうし、友達と会う前に、落ち着く時間が必要な人もいるでしょう。電話についても同じことです。

 

同様に、職場に復帰する場合も、注意深く考える必要があります。私自身は、職場復帰を急ぎすぎて失敗した経験があります。私にとっては、徐々に復帰するのがいいようです。数日の間、数時間仕事をし始めるのが、私にはあっています。

 

最後に、再び日常生活に戻った後に、自分のWRAPを見返してみることが大切です。乗り越えたクライシスの体験によって、クライシスを予防するために何か新しいことが示されたと思います。治療者、サポーター、家族から得た助けを書き出して、この経験から何を学ぶことが出来るかを検討してみるとよいかもしれません。新たな引き金が見つかったでしょうか。気がついていなかった注意サインについて話してみましょう。日常生活管理プランに何か付け加えるべきでしょうか。すでに持っている元気に役立つ道具を磨いて、新しいものを付け足すべきか検討してみましょう。多分最も大切なことは、調子が悪くなってきたときのプランを詳細に検討することかもしれません。クライシスを防ぐために何をすべきかを考えてみてください。無視していたか見落としていた、重要なサインに特に注意してください。そして最後に、クライシスプランが有効であったかを確かめてください。

 

 

Mary Ellen Copeland, PhD   PO Box 301,  West Dummerston, VT 05357
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